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ちょいと頭を使うひと仕事が終わって コーヒーを飲みながら なんとなくぼんやりしていると 突然頭上で物騒な物音がする ドシンバシンと 柔道場の床下に住むねずみもかくやという風情 暖かくなって 朝から雨が降りしきっている 一日中屋根の上から氷の落ちる音 からりと晴れた隙に不精な腰を上げて 小さな袋にひまわりの種を入れて 川沿いの遊歩道に出かける かんじきを履いてだいぶ重くなった雪を踏み分けていくと 渓谷沿いに仕掛けた餌台の中の種は もちろん、もう空っぽだ にぎやかにコガラの鳴く声がする 今日は特に軽い声で鳴くものだ まるで春の日の歌のような響き どうして世の中にこんなに綺麗な声の生き物がいるだろう 手のひらに種を乗せて そっと差し出してみるけれど ちょいちょいとのぞきに来ては また歌いながら飛んでいってしまう 餌台にやった餌は食べるけれど 個人的な信頼関係はまるでない どうしてどうして私の片思い 重くなった雪がかんじきにまとわりついて いつもの何倍も足が重いのを 汗をかきながら遊歩道を行く 見上げればオオワシが二羽 立派な羽を羽ばたきもせずに ブーメランのように悠々と空を飛んでいるのが 青空の中にくっきり光っている あんまり綺麗な姿に 「すげえ」 と思わずややはしたない歓声をしてにやっと笑う ふと足元に白く閉ざされた川の上から カラスが一羽飛び立った その飛び立ったところに何か不思議な色の水溜り 汚れた泥色と濁った赤 数日前までエゾシカという名前だった命が 今は他の命のために姿を変えた泥の色 今となってはもう殆ど鹿の姿をしていない 崖の淵まで木の皮を齧りに来て 温んだ陽気で滑りやすくなった雪が崩れたのを 飢えた体で支えきれずに滑落したんだろうか 周りにたくさんの大きな翼の後があるのは あれはきっとカラスではなくワシだろう そう思って空を見ると いつの間にかオジロとオオワシが これまで見たことも無いほどの数で山の上を旋回している 山の上には もっともっと沢山の鹿が 斜面を滑り落ちて命を落としているのかもしれない 悠々として動じないように 群れて空を飛ぶ猛禽の姿は しみじみと怖い 川の上の血だまりの上ではカラスが喧嘩をする 命を入れ替えながら 近づいてくる 春の姿
by nora_darake
| 2007-02-23 17:35
| ノラの仰臥漫録
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